2024年5月3日(金)、明治安田J1リーグ FC東京対京都サンガFCの試合。
現地観戦していたが、VARのルールでおかしくないか?と思う瞬間に出会ったので記事にしておきたい。
(贔屓のチームが関わってるので余計にそう思うのだとは自覚しつつも、あまりにもおかしいぞ、と感じたこの思いをどこかに発散させたいのである。)
本題に入る前に、1つ記事を紹介したい。2024年シーズンにおけるVARの運用についてのゲキサカの記事(以下URL)だ。
https://web.gekisaka.jp/news/jleague/detail/?401097-401097-fl
この中で、PKの判定に対してVARが介入し、PKが取り消された際のプレー再開の方法について、以下のような運用とするとされている。
2つ目は主審がPKの判定を下した後、VARオンリーレビューまたはオンフィールドレビュー(OFR)によりPKを取り消しされた場合の再開方法について。PK判定がなされた時点でボールが外に出た場合、これまではゴールキックやCKでの再開だったが、VARチェックはPKの可能性に対して行われる原則のため、「PK」→「OFR」→「PKをキャンセル」という流れでプレーが再開される時は、「ドロップボール」での再開となるという。
佐藤氏は「VARが使用するプロトコルにはこのようなケースは書いていない。それはレフェリーが間違えたという前提をルールに作っていないから。そのため笛を吹いたときにボールが外に出ていたらCKから再開しようというリーグもある」と補足説明。その上で「われわれが競技規則に基づいて立ち返ると、その根拠はVARのチェックはポッシブルPK(PKの可能性)に対して行っているということで理解したい」とドロップボールとする理由を述べた。
なるほど、どうしてこのような運用にするのかは理解できなかったが、とりあえず「PKがVARによって取り消された場合のプレー再開は、ドロップボールとします!」ということだけは理解できた。
(ちなみに恥ずかしながら、筆者は現地観戦している時にこのような運用がされていることを知らなかったので、この後に書くシーンでえらく憤慨した。)
この記事を踏まえたうえで、FC東京対京都サンガFCの後半アディショナルタイム+1分の出来事を見てみたい。
右サイドを攻め込んだ京都・原選手のクロスに飛び込んだのは京都・平賀選手。しかし、FC東京・森重選手の身体を張ったディフェンスに防がれ、ボールはゴールラインを割ってしまうが、京都の選手は森重選手のハンド(PK)をアピール。
アピールの結果(?)、岡部主審はハンドの反則を取り、PKという判定を下した。京都からすれば、試合終了間際、同点を狙える千載一遇のチャンスである。
しかし、直後にVARが介入。ハンドの判定に対して、異議を申し立てたのである。すぐさま岡部主審がOFRへと向かう。
OFRの結果、PK取り消し。正直なところ、千載一遇のチャンスが消えてしまい残念ではあったが、森重選手は手を不自然に広げていたわけではなく、仮に手がなくても身体に当たっていたと思われるので、その判定自体に異議はなかった。
(過去、似たようなプレーで京都の選手はハンド(PK)を取られていたような記憶が蘇り掛けたが、それはまた別の話。)
さあでは森重選手に当たってゴールラインを割ったのだから、まだCKのチャンスだ、と京都・鈴木冬一選手がコーナーアークにボールをセットしようとする。
しかし、ここで冒頭に紹介した記事を思い出さなければいけない。
「PKがVARによって取り消された場合のプレー再開は、ドロップボールとします!」ということだ。
まさに今回もその好例というわけである。
正直、ピッチ上の選手もどれくらい理解していたのだろうか。
(ドロップボールによる再開をあの判定を下した瞬間に指示できる審判、ああ、恐ろしき。)
現地観戦してた筆者は恥ずかしながらそのことを把握していなかったので「ドロップボール?なんでやねん!ふざけるな!!」状態。なぜなら、ハンドの笛が吹かれたのはあくまでボールがゴールラインを割った後で、プレーは切れているのだから。
百歩、いや二百歩譲って、ボールがゴールラインを割っていない時点で笛を吹かれたのであれば、FC東京の選手も足が止まるので、「僕たちは頑張ればタッチラインに逃れられたんです!」という主張を見越してドロップボールでのスタートも納得できるが。
京都のベンチも、恐らく運用を理解できていなかったのか、猛抗議。ドロップボールで再開されたものの、猛抗議に一度プレーが中断し、京都・西方コーチにイエローカードが提示され、ドロップボールでの再開をやり直すという何とも珍しい展開に。
試合はそのまま、2-1でFC東京が勝利。
ちなみにPK取り消しの後、試合終了間際にFC東京の選手に接触によるイエローカードが提示されるも、なぜか京都側のオフサイドを取られ、FC東京ボールのFKとなる判定もあり(試合後DAZNでリプレーを見たがピッチの全体像が映っていないのでそもそもどこに対するオフサイドなのかも判断がつかなかった)、現地で観戦していた筆者としては何とも後味の悪い試合となった。
筆者の思いの丈を綴る記事なので、言いたいことはそれだけかと思われるだろうが、結局のところ、
- なんでプレー切れてからの笛で、一連の流れに反則がないことが確認できたのに、プレーの再開は反則があったと誤認した地点からしないといけないの?
ということである。普通に運用としておかしくないか?
何度も言うが、確かにボールがゴールラインやタッチラインを割る前に笛が吹かれたならドロップボールでの再開はわかる。
だが、完全にプレーが一度切れた状態(今回であれば、笛が吹かれなければCKとなっている状態)で、吹いた「審判の誤りの」笛であるならば、普通は一度切れた状態で再開させるのが自然じゃないか?
え、もしかしてこの再開の方法って、ハンドでもないプレーにアピールをした選手に対する懲罰的措置ってことか?審判を欺くシミュレーションみたいな??そんなことある???
京都の選手がアピールしなければよかったのか?いやアピールしなかったら主審は笛を吹かなかったのか??笛を吹かずにVARが介入してPKなしだった場合はCKになるの???
あと、なんで審判は悪びれる様子もなく無情な再開の方法を機械的に指示できるんだ?京都のCKはどうせ点が入らないからチャンスでもなんでもないだろってこと??この試合の京都の1点はCKからの1点なんだが???
「われわれが競技規則に基づいて立ち返ると、その根拠はVARのチェックはポッシブルPK(PKの可能性)に対して行っているということで理解したい」
先ほどの記事の、ちょっとここの解釈がわからない。
競技規則に根拠がないなら場合分けして競技規則に追加すれば良いのでは?もしくは違和感を抱かざるを得ない競技規則は改正するべきではないのか??
はっきり言って、「ルールだから」の一言で片付けてほしくない。違和感ありありなルールである。
(もし今回の事例がワールドカップのような世界大会で起きたらプレーの再開はどう判断されるのか??)
贔屓のチームに起こったことだから余計にそう思ってしまうのだと言われるかもしれないが、サッカーしたことがある人なら、普通に考えればおかしいと思わないだろうか。
ぜひ、このルールの見直しについて、議論を重ねて欲しいものだ。
余談。
前説のヴィッセル神戸対京都サンガFCの試合でも、VARが話題となった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e67862d0cf415e9a398a0c2b1f9bf82fa6d4ea8
この試合では京都はVARに助けられた形となった(PKをGKのクソンユンがスーパーセーブしてくれたお陰な)のだが、正直言うと、あれだけ微妙ならもうゴールで良いのではと思う。
VARの哲学は「最小限の干渉で最大の利益を得る」とのことだが、あの試合のVARは果たしてその役割を果たせていたのか?
そもそも松田選手のハンドもガッツリ手に当たってはいるが一連の流れなので微妙すぎて、オフサイド判定が微妙だから(神戸・宮代選手が触ってるか怪しいから?)帳尻を合わせられたようにも思えた。
救われた側なのであまり大きな声で言いづらいが、そもそもオフサイドの反則にあそこまでの精密性が要るのかよくわからないし、U23日本代表の試合でも思ったが、ハンドの反則って一体何なんだろう、、とVARが導入されてからサッカーの判定について思うことが増えた。
(ちなみに野球のリプレー検証の場合、明確に誤りとわからなければ原則最初に下した判定が優先されるので、判断に時間がかかった時点で最初の判定を維持すれば良いのにと思う。)
P.S.
試合後、FC東京の勝利に関する記事ばかりだったが、1つだけ、この判定に関する記事を見つけられたので、ほんのちょっとだけ、救われた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b8606e7c7cd55c87b263990d9d8c7dda1e1ab815
あと、京都サンガFCの選手たち(特に守備面)、
今日みたいな腑抜けた守備をして、ファンの期待を裏切らないでくれ、、
せっかく現地で応援してるのに、あんな軽い守備で開始早々点を取られてたら、応援する気もなくなってしまうって、、
毎試合90分ハードワークをしていて疲労は溜まるんだろうけれど、プロサッカー選手の集まりだと思っているからこそファンとしてはもっと高いレベルのプレーを期待するわけで、この前の神戸戦や今日の後半のような戦いを見せ続けて欲しい、、(偉そうで申し訳ないが、、)